がんになっても 普通に生きる

がんについての理解 そしてがん患者への誤解をなくすために

がんを統計から見てみると

がんという病は、漠然ととらえてしまいがちですが、統計から見てみるとその実態が少しわかってきます。今がんと関わりがなくても、年代が上がるにつれ、新たに罹患する人は増えてきます。その時のために、がんという病を数字の上から見てみるのも大事なのではないかと思い、書いた記事です。

 

「『がん年齢』と向き合う」(2016年1月号掲載)

がん患者の体験記では、働き盛りの人のものが目立つせいか、がんは年齢に関係なく罹患するイメージを持ちがちですが、そうではありません。

国立がん研究センターがん情報サービスの2012年のデータによると、40歳男性で10年後までにがんと診断される確率は2%、20年後7%、30年後21%、40年後は42%。女性は10年後までが4%、20年後9%、30年後17%、そして40年後は28%となっています。年齢が上がるにつれ、罹患率は上がっていきます。

ちなみに生涯でがんによって死亡する確率は、2014年のデータによると、男性が4人に1人、女性は6人に1人です。60歳以降は男性が女性より顕著に高くなります。こうした数字を見ると、がんは高齢期が主体の病でかつ、必ずしも死に直結するわけではないこともわかります。

私のかつての上司で、飲み仲間でもあった男性陣は、みな続々と定年を迎えていますが、年々がんになったという報告が増えてきました。種別でいうと胃がんや大腸がんなど、消化器系が目立ちますが、データの上でも男性の60代までは消化器系のがんが多いとあるので納得です。だいたいが検診でみつかり、お腹を切らない、内視鏡治療で済んでいることが救いです。

そしてもう少し年代が上がると、今度は肺がんと前立腺がんが増加してきます。

一方女性はというと、40代から、乳がん、子宮がん、卵巣がんなどの、婦人科系のがんがまず増え始めるため、がん年齢は男性よりやや早めです。これらのがんは女性ホルモンが影響していることが多いからです。

概して40代後半で急増し、50代60代で1つの大きな山となります。その後はなだらかに減ってはいきますが、一定数の罹患率は維持します。先月号で、高齢で乳がんになった読者の方からの投稿がありましたが、年齢が高くても乳がんになります。私の友人のお母さんは、60代で片側の乳房を摘出し、70代で残った側に見つかっています。

女性ホルモン、エストロゲンは閉経によって卵巣では作られなくなるのですが、新たな仕組みで合成されるようになります。脂肪細胞などに存在するアロマターゼという酵素によって、男性ホルモンがエストロゲンに変わるのです。なので「閉経後は安心」というわけにはいきません。

ちなみに婦人科系がんのピークが過ぎると、消化器系や肺がんの割合が増えていきます。データで見ていくと、がんは年齢や性別で特徴があるので、こうした情報を参考に、効果的な検診につなげられればと思います。

また今は、それぞれのがんのリスク要因も少しずつ明らかになってきています。たとえば乳がんは、閉経後の肥満や過度な飲酒がリスクになる一方で、運動はリスクを減らすとされます。これらは大腸がんでも同じです。また喫煙は胃がんのリスクを高めます。

私も最近は過度な飲酒をやや?控え、人生初の休肝日も設けるようになりました。またさぼりがちだった運動にも力をいれています。ただ科学的根拠があるからといって、あまり目くじら立てて取り組むと逆にストレスになります。無理のない範囲で取り入れて、がん年齢と向き合っていきたいものです。

down

コメントする




CAPTCHA


関連記事

「新聞うずみ火」掲載コラム

コミュニケーション

データ

ネット情報

代替医療

医療否定論

医療報道

医療者

寄せられた感想から

患者力

患者家族

未分類

検診

番組

社会的課題

雑記

2016年8月
« 7月   9月 »
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

さかゆうプロフィール

さかゆう

さかゆう

しゃべり手 たまに書き手。 ネット問題に取り組む消費生活アドバイザーでもある。母親を希少がんで亡くし、自身も 2014年に乳がん発覚。手術を行い 現在経過観察中。