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知っているようで知らない「セカンドオピニオン」

time 2016/10/26

知っているようで知らない「セカンドオピニオン」

意識調査は、その問いかけによっては実態を反映しなくなることがあるなと思います。「知っている」や「よく知っている」という問いかけが、意味をなさない場合もあるのではと思います。

言葉が認知されると、内容も含めて理解されていると錯覚しがちですが、そうではないことをセカンドオピニオンの例が示しています。セカンドオピニオンは、患者本人ではなく、家族が希望する場合も多いだけに、もっと制度が理解されなければ、患者が板挟みになるようなことも出てきてしまう気がします。

 

力試されるセカンドオピニオン(2016年8月号掲載)

セカンドオピニオンという言葉は、普段の会話にも普通に出てきますし、広く知られているイメージがありますが、その制度内容まで知っている人はそう多くありません。

民間調査会社ティーペックが昨年3000人を対象に行った調査では、92%が言葉を知っていると答え、意味も知っていると答えた人は63%でした。ところが、セカンドオピニオン外来の存在を知らない人が68%もいて、意味を知っていると答えた人が、制度をきちんと理解しているとは限らないことが推察されます。

私の周りでも、「他の先生に意見を聞くことでしょ」とはみんな言いますが、同時に診察もすると思っている人がとても多いのです。そこでまずはこの制度の簡単な説明から。

初めに今の担当医にセカンドオピニオンを受けたい旨を伝え、紹介状や検査結果などの資料を受け取ります。そして希望する医療機関のセカンドオピニオン外来に申し込み、そこで持参した資料をもとに話を聞きます。最後に現担当医に結果を報告して、再度治療方針を検討します。ちなみにセカンドオピニオンは公的医療保険が利用できないので全額自費になります。費用は医療機関によって様々ですが、30分1万~2万円くらいが一般的です。

こうした一連の流れを話すと、「担当医にも報告するの?」という声も出てきます。セカンドオピニオンは、今の担当医から離れて、こっそり受けるものととらえている人も案外多いのです。

担当医に結果をフィードバックして再検討した結果、今の病院で受けられない治療や、セカンドオピニオンを受けた医師のもとでの治療を望むとなれば、改めて現担当医に転院のための紹介状を書いてもらうことになります。初めから病院を変えたいという思いがあれば、飛び込みで他の病院に行く方が気が楽かもしれませんが、そうすると再度診察や検査をし直すことになったり、治療のタイムラグが生じたりと、患者に負担がかかってしまいます。

厚労省が2014年から15年にかけて、患者5000人を対象に行った調査ではセカンドオピニオンを利用した人の割合は22.4%でした。利用しにくい理由には、「敷居が高い」「言いだしにくい」「今の医師に嫌がられるのではないか」など、やはり医師への遠慮が目立ちます。

ところが医師側の意識は異なります。2015年に医師専門の情報交流サイト「メドピア」が行った調査では、8割の医師が「セカンドオピニオンを積極的に受け入れる」と回答しています。もはや気分を害する医師は少数派です。患者側も認識を新たにして、遠慮なく制度を利用したいところです。

ではセカンドオピニオンの壁になっていた医師に対する遠慮がいらないとなれば、利用者はもっと増えていくかというと、そう単純でもありません。次はセカンドオピニオンを受ける病院選びが新たなハードルになるからです。今と同じ意見になりそうな医師では意味がないし、かといってあまりに奇抜な医療を行っている医師では、意図せず怪しい医療に取りこまれる危険性も出てきます。第2の意見を誰に聞くかは、患者には難しい選択となります。意見を聞く病院の目途が立たない人は、がん診療連携拠点病院などにある、がん相談支援センターでアドバイスをしてもらうのも一つの方法だと思います。

そしてもう一つ大事なこと、それはセカンドオピニオンを受ける目的を明確にすることです。なんとなく、他の医師の意見を聞きたい程度で臨むと、30分などあっという間に終わってしまい、時間もお金も無駄になってしまいます。疑問点を明らかにした上で、自分も下調べをし、尋ねたいことをまとめてメモするなど、しっかりとした準備が必要です。

セカンドオピニオンは、このようにまさに患者の力が試される制度です。とはいえ受けて満足できたという方もたくさんいます。受ける限りはそう思えるよう、できる努力はしたいものです。

コメント

  • セカンドオピニオンについて、私も言葉をしっている程度だったと改めて思い知らされました。帯状疱疹に罹っただけで80歳を超えてなお、病院にはお見舞い以外入ったことがない幸せに恵まれてきたことも改めて認識しました。

    by 梶 宏 €2017年2月1日 3:57 PM

    • 梶様、コメントありがとうございます。80歳を超えて立派に健康を維持されていること、ほんとに素晴らしいです。セカンドオピニオンは、案外中身が知られていませんね。よく理解して、有意義に利用したいと私も思います。

      by さかゆう €2017年2月1日 11:47 PM

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さかゆうプロフィール

さかゆう

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しゃべり手 たまに書き手。 ネット問題に取り組む消費生活アドバイザーでもある。母親を希少がんで亡くし、自身も 2014年に乳がん発覚。手術を行い 現在経過観察中。