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がんについての理解 そしてがん患者への誤解をなくすために

「お互いさま」という気持ち

time 2016/10/31

「お互いさま」という気持ち

私は現在、経過観察の身なので、半年に一度病院に行きますが、かつて時計ばかり気にしていた待ち時間も、今は「何の本を読もう」「カフェで何を飲もう」と楽しくとらえられるようになりました。というのも、私は今「待てる側」にいるからです。

手術直前の診察時、手術の説明を丁寧に受けることができました。家族からの疑問にもたくさん答えてもらいました。また術後きれいに仕上げるためのチェックも念入りで、そのおかげでたくさん切除したにも関わらず、今では手術したとは思えないほどです。

そのためこの日の診察は、普段よりも多くの時間がかかってしまいました。不安の多い手術前にはとてもありがたいことでしたが、同時に、「時間を取ってしまい他の患者さんに申し訳ない」という思いも抱きました。

けれど手術を終え、定期チェック期間に入った時、診察を待つ待合でふと思ったのです。「医療もお互い様だ」と。今度はこれから手術を受ける人や、厳しい治療で悩みが多い人のための時間を「待つ側」になればいいのだと。そう考えると予約時間を超過しても、きっと必要な人に必要な時間がかかっているからだと思えるようになりました。すると待ち時間も気にならなくなったのです。

「お互いさま」っていいものですね。人を幸せな気分にさせてくれます。なので、もし今、「自分ばかり時間を取っている」と申し訳なく思っている方がいたら、「どうぞ気にしないでください。それは今必要な時間なのだから」と伝えたくなります。

同時にあの時の自分にも言ってやりたいです。「悪いと思う必要はないよ。このあとあなたは待つ側になるから」と。

普段はあまり自覚がないものですが、人はみな譲ったり譲られたりの連続で生きています。私もまたいつか時間をもらう側になるかもしれません。だからこそ元気な今、しんどい人の分も引き受けられたらいいなと思います。待つのもしんどい人は、少々順番が後ろでも先に診察してもらえる、なんてことも可能になればいいですね。あちこちに痛みがあってきついのに、いつも長く待たされていた知り合いが気の毒でしょうがなかったですから。

医療も「お互いさま」の精神でいけば、優しいものになっていく気がします。まずは自分だけでも、お互いさまという気持ちでいられればと思います。

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さかゆうプロフィール

さかゆう

さかゆう

しゃべり手 たまに書き手。 ネット問題に取り組む消費生活アドバイザーでもある。母親を希少がんで亡くし、自身も 2014年に乳がん発覚。手術を行い 現在経過観察中。