がんになっても 普通に生きる

がんについての理解 そしてがん患者への誤解をなくすために

気持ち伝える場がほしい

time 2017/02/26

気持ち伝える場がほしい

先日乳がんの市民フォーラムに参加しました。参加者の質問に医師らが回答する最後の「Q&Aコーナー」での、ある質問が気になりました。

「がんがわかり不安は広がるが、診察時間には思いを話しきれない。診察の前後にそうした話ができる場は作れないのだろうか」という質問です。回答は、「外国ではやっているが日本ではまだ難しい」でした。けれど私はほんとうにそうだろうかと思ったのです。ヒントになるやり方を実践している医療機関を知っていたからです。

私のかかりつけの診療所では、診察前、別室に呼ばれて、まずは看護師に病状について話しをします。じっくり丁寧に聞き取ってくれて、内容はすべてカルテに記載されます。それを医師が目を通してから診察が始まります。

この方式ですと、患者も診察室で話すよりも、焦らずゆっくり病状や不安な気持ちを説明できますし、緊張感がない分、言い残しも少なくなります。待ち時間を利用するので、診察を受けるのが遅くなるわけでもありません。

これは規模の小さい診療所だからできることでしょうか。実は私が乳がん治療で通う総合病院でもこれに近いことをしているのです。

この総合病院では、告知など重要な話の時には、普段の診察時にはいない看護師が同席します。そして診察終わりには一緒に部屋を出て、「今日の話をどう聞かれましたか?」と、医師の説明に対する理解度などを確認してくれます。生活面など患者の病状以外の不安にも寄り添う話をしてくれるので、医師とはまた違った形のフォローになります。そのため医師に話せなかったことも話せたりと、患者にとってはありがたい場になっています。

医療は人に救われる面も多いものです。普段の診察時に、少し多めに話を聞いてくれる場があるだけで、気持ちがうんと楽になります。

さらにこうした取り組みは、患者のためだけでなく、医療者にとってもいい面があります。

例えば、待ち時間に事前聞き取りをすれば、診察時、より必要なやり取りに終始でき、診察時間も短縮できます。また、気軽に患者が気持ちを吐き出せる場が作れるので、診察室での平気な顔の裏に潜む、強い不安や迷い、また気持ちの変化なども汲み取りやすくなり、医療者と患者の思いの食い違いも減らせます。さらに患者への対応に対する、医師の負担も軽減できます。

診察前後のこうした聞き取りを、頻度を上げて大規模病院で行う場合は、人的確保など必要とすることもあるのでしょうが、その効果を考えれば、取り組む価値はあるのではないでしょうか。一人の患者を複数の医療者で見守るシステム作りは、患者にも医療者にも必要なことだと思えるからです。

今後取り組む医療機関が増えればいいなと願っています。

次回は、がんに関する多様な相談に応える、がん相談支援センターを取り上げます。

 

追記

今日紹介した、私が通う総合病院の看護師さんによる聞き取りで、一つだけ残念なことがあります。それは聞き取りが、大勢の人がいる待合で行われることです。せっかく良い取り組みなので、是非個室の、安心して話せる場で行ってほしいと思います。

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さかゆうプロフィール

さかゆう

さかゆう

しゃべり手 たまに書き手。 ネット問題に取り組む消費生活アドバイザーでもある。母親を希少がんで亡くし、自身も 2014年に乳がん発覚。手術を行い 現在経過観察中。