がんになっても 普通に生きる

がんについての理解 そしてがん患者への誤解をなくすために

検診のデメリット

検診にはメリットだけでなく、デメリットもありますが、このデメリットについてはまだ広く知られていません。「とにかく検診しよう!」とばかり叫ばれるからです。検診は万能ではないし、逆に受けたことで苦しむこともあります。そうした現状を知って、検診とどう向き合うか考えたいですね。

 

早期発見の表と裏 (2015年1月号掲載)

前回は、検診によって、多くのがんではない人にもがんかもしれないというストレスを与えるという話をしました。「でも坂崎さんは検診のおかげで早期に見つかってよかったのでは?」と思われている人も多いと思います。

確かに私は早い段階で発見され、がんが乳管から出ていなかったため、リンパ節転移もなく、抗がん剤など体に負担をかける治療もせずにすんでいます。けれど一方で、もし検診を受けなければ手術をすることもなく、穏やかに暮らし続ける可能性もあったわけです。

がんというと、まだまだ不治の病というイメージが強いですが、実はいろいろなタイプがあります。進行度別に分類すると、急速に進行するがん、比較的ゆっくり進行するがん、非常にゆっくり進行するがん、ほとんど進行しないがんの4つに分けられます。

ただ現在はどれがそういうタイプのがんなのかがわかりません。そのため、「PSA監視療法」といって経過観察をする療法が行われている早期前立腺がんを除けば、がんはみつかればすぐに治療をすることが原則です。ですから私のがんも、もしかして放っておいてもよかったかもしれませんが、放っておくと進行して乳管の外に出てしまう可能性もあるので、手術して取り除く標準治療が適用になりました。

このように検診で見つかることで、もしかしたら治療する必要のないがんを治療してしまうこともあるわけで、がん検診は、不必要な検査以外に、過剰診療や、逆にがんなのに正しく判定されないなど、問題も多くはらんでいるのです。

他方、急速に進行するがんは、検診で早期発見することは難しいといわれます。私の知人は検診を受けていながら、乳がん発覚から1年ほどでこの世を去りました。

このようなことから、私は自身が検診でがんがみつかったにも関わらず、周りの友人に積極的に検診を勧めることができないのです。見つかる人はほんの一握り、進行がんを早期に見つける効果は薄い、見つかるがんの多くは進行がゆっくり。「検診はすべきなの?」現状を知れば知るほど、悩ましくなります。

では検診とどう向き合えばいいのでしょう。乳がんでいうなら、リスク要因というものがわかっていて、それらは検診を受けるかどうかの判断材料になります。初経年齢が早い、閉経年齢が遅い、妊娠・出産経験がない、初産年齢が遅い、授乳歴がない、そのほか、母親など乳がんの家族歴、良性乳腺疾患の既往や肥満などもそうです。ちなみに、私はあてはまる項目が多かったのと、ここ数年片方の胸にずっと痛みがあったので、検診につながりました。

ついでにいうと、がんには痛みがないそうで、「痛いのは乳腺症」と医師には言われますが、私も痛みのある方に見つかっていますし、知り合いの乳がん患者も痛みで受診したといいます。また患者ブログを読んでいてもたまにそうした記述があるので、性周期に関係なく起こる痛みや、気になる症状があれば、一度検診を考えてもいいかもしれません。けれど、少なくとも公費で広く検診を促すようなやり方は、そろそろ見直すべきではないでしょうか。

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さかゆう

さかゆう

しゃべり手 たまに書き手。 ネット問題に取り組む消費生活アドバイザーでもある。母親を希少がんで亡くし、自身も 2014年に乳がん発覚。手術を行い 現在経過観察中。                      

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