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呼吸とリハビリ

time 2016/11/29

呼吸とリハビリ

手術や骨折などのあとにつきものなのがリハビリです。そんなリハビリに呼吸が案外役立ちます。

リンパ節を切除していない私は、入院中はリハビリをどちらかというと軽く考えていました。看護師さんも「リハビリやりましょう!」というより「やってみます?」という声かけでしたし、手術をした側の腕も上げてみると上がっているように思えたからです。

とはいえ声をかけてもらったので「一応やっておこう」という軽さで、ビデオを見、入院中はビデオの内容を毎日軽くやってもいました。ところが、退院後すぐの外来で、ベッドに横になって腕を上げようとしたら痛くて上がらず驚きました。「えっ!上がらない!」焦りました。入院中は上がっているつもりだっただけで、実際は元のようには上がっていなかったのです。

そしてそのすぐあとの2度目の外来でのこと。看護師さんから「リハビリ頑張っていますか?痛み止めを飲みながらやってくださいね。」と声をかけられて、さらに驚きます。思わず「そんなに頑張らないといけないんですか?」と返すと、「そうです。神経の再生も最初の1か月が勝負と言われています。」と看護師さん。

それにしても入院中とは全然リハビリ指導の温度が違います。すでに2週間が経過していることもあって、そんなことは入院中に聞きたかったと思ったものの、ともかく頑張ろうと心を新たにしました。

余談ですが、入院中腕が上がっているように思えていたのは、鏡で左右差を確認していなかったからです。人間の感覚などあてにならないものです。なのでそれからは毎朝、仰向けになってリハビリを行いました。どのくらい上がっているかは、仰向けになった方が床からの距離でわかりやすいからです。

それから、勧めてもらった痛み止めは飲みませんでした。どのあたりまで上げたら痛くなるかも腕の上がりのバロメーターになると思ったからです。痛くなり始めたところからまずはスタートと考え、そこから少しでも上げるよう頑張っていたのですが、これがともかく痛い。「やっぱり痛み止め飲もうかな?」と何度も思いました。けれどそのうち、ヨガやピラティスの手法を取り入れてみるのもいいかもと思いつきました。ちなみに私は15年近くヨガやピラティスに取り組んでいます。

私がまずやってみたのが、突っ張っている腕を優しく揉みながらの腕上げでした。筋に沿って指で指圧のように優しく押していくと、痛みが和らぎ、痛みでストップしていた腕がまた少し上げられるようになったのです。そうしてさらに限界まで上げて、今度は呼吸を利用しました。深くゆっくり吸ってゆっくり長く吐きます。この吐く時に、自然と腕も伸ばされていきます。

ヨガをやっている方なら経験されていると思いますが、ヨガではポーズを深める時、呼吸を利用します。大きく吸って吐く、このことで体の中の様々な筋肉が伸びていき、さらにポーズが深まります。呼吸ってすごいなあと感じてきましたが、これがリハビリにちょうどいいのです。

呼吸を利用する良さは、それほど痛みを強めず伸ばすことができるところです。これからリハビリを行う方は是非試してみてください。仰向けに寝て、腕を限界まで上げ、あとはその位置で大きな呼吸を繰り返します。痛いリハビリが、毎日続けられるリハビリになります。

振り返るとあの頃、「いつになれば元通り上がるようになるのだろう、もしかしたらもう二度と元通りにはならならいのでは?」とさえ思いましたが、1か月が過ぎた頃、その日は突然やってきました。当時私は朝起きると、ベッドに横になったまま、まず腕を上げて「今日もまだ上がらない」と確認することから1日が始まりましたが、ある日の朝、いつものように上げると、まっすぐ上まで上がったのです。夢かと思いました。ほんとに突然でした。

今、不安の中リハビリをされている方もいるかもしれませんが、ある日突然上がる日がやってくるので、頑張ってほしいなと思います。

リンパ節を切除していないと、リハビリ指導は熱心でないかもしれませんが、リンパ節を切る切らないにかかわらず、しっかりやる必要はあると思います。切除範囲の大小も腕の上がりには大きく関わってくるというのが実感だからです。私は「頑張ってやってください!」と発破をかけてくれた看護師さんに、あの日診察室で出会えて本当によかったと思っています。

 

 

 

 

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さかゆうプロフィール

さかゆう

さかゆう

しゃべり手 たまに書き手。 ネット問題に取り組む消費生活アドバイザーでもある。母親を希少がんで亡くし、自身も 2014年に乳がん発覚。手術を行い 現在経過観察中。                      

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