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検査も患者本位で

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検査も患者本位で

先日は検診日で、マンモグラフィーの撮影をしました。担当の女性技師は親切に声かけをしてくれます。まず右手を言われるがまま奥に置き、顔を左に向けます。「もっと顔を左に向けてください」と再度指示されましたが、なぜかそれ以上左にやれません。いつもならスムーズにできるはずが、なぜか顔がそれ以上向けられないのです。それでも何とか指示に従わなければと頑張りましたが、全く動きません。一応一通りの運動は続けているし、体も硬くなっていないはず。精一杯の無理な体勢で検査を続けながら、頭の中は「なぜ?」でいっぱいでした。

「顔を左に向けるためには、手がこんなに伸びきっていてはだめなのでは?」途中ある考えがひらめき、もう片方の胸に移る時に、提案してみました。「手をもう少し手前にしてもいいでしょうか。その方が頭も向けやすいと思うので」技師さんが「はい、かまいません。」と答えたので、自分の思う位置に手を置いたところ、今度はスムーズに撮影ができました。

そして検査が一通り終わったあとのことでした。「今後のために、どこがやりにくかったか詳しく聞かせてもらえますか?」と技師さん。そこで私も、手と頭の状態を示しながら、位置を変えた意味を丁寧に説明しました。

「お大事になさってくださいね」という温かい言葉とともに、検査室を出た私は、この技師さんの、より良い検査をしようとする姿勢に好感を持ちました。まだ若い方でしたが、きっとこの先、今以上に患者を慮れる、良い技師に成長していかれるのだろうなと思います。

と同時に患者側も、こうするとやりやすいなど、要望をきちんと伝えることも大事だと再認識しました。「やりやすい」「やりにくい」という感覚は患者でなければわからないこと。検査をする側の要望にうまく答えるためにも、こちらの思いを伝えることは、手間のかかる検査では特に必要だと感じます。

ちなみに、術後のマンモ検査では、手術を受けた側になると、「痛いでしょうから無理をしないでください」と言われます。けれど術側は、神経が回復していないので、あまり痛みを感じません。容赦なくされる、もう片側の方が実はとっても痛い。

今回は終わってからこのことを伝えましたが、次回は検査前に「術側は痛くないので、遠慮はいりません」と言ってみようかと思っています。これも検査を受ける上で必要な患者情報ですから。

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