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救急時に電話で相談

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前回「断らないの裏側で」で、救急科で働く医療者の過重労働について書きました。

医療者の疲弊の実態を知ると、せめて軽症者の救急利用は減らしていかなければと思います。ただ「軽症かどうか」を患者側が判断するのは難しいことです。

そんな時に役立つのが救急相談(救急安心)センターです。2007年に東京消防庁に初めて開設されました。その後、大阪府や札幌市など、都道府県や市町村にも設置され、全国に広がりつつあります。番号は共通で「#7119」。

「#7119」にかけると、相談員である看護師が受診の必要性や、医療機関の案内などのアドバイスをします。緊急を要する場合は119番転送も行います。

2009年10月から2010年3月までの半年間、愛知県、奈良県、大阪市でモデル事業として実施した際には、次のような効果があったと報告しています。

①119番に緊急ではないのに通報する件数が減少
②救急医療機関への時間外受診者の減少
③軽症者の救急搬送件数の減少

このまま救急医療の負担を減らしていけるのかはまだ未知数なところがありますが、24時間体制の相談窓口があるのは市民としては心強いことです。

ただ定着していくには、課題もあります。

まず、既存の相談窓口と重なる事業があるため、整理を進めていかなければなりません。

例えば私が住む神戸市では、救急相談センターが開設されて、これまでの「休日・夜間の救急医療機関案内」と「休日急病電話相談センター」は終了しました。けれど神戸市の「こども急病電話相談」と兵庫県の「小児救急医療電話相談(#8000)」は継続しています。

救急相談センターには、子どもの急病相談も寄せられているので、子どもは従来の相談窓口で行い、救急相談センターは、大人専用にするなど、棲み分けをして、重なりによる無駄をなくしていかなくてはいけません。

また、早くから始まった東京では都民に浸透してきたこともあって、電話がつながらないなどの苦情も寄せられています。相談件数に見合った、設備や人員配置を行っていけるかなども課題です。

私は相談センターと平行して、かかりつけ医の力も必要ではと思っています。私自身、かかりつけ医に相談して、救急に行かずに済んだことが何回かありました。その人の持病など、体のことを一番把握しているのがかかりつけ医だけに、救急医療への集中を緩和するためにも、町のクリニックの協力が今後より重要になると思います。

まずは自分の自治体で開設されているか確認してみてください。私も迷った時に頼れるように、家の目立つところに「#7119」を貼っています。救急相談センターが定着し、効果を上げていくことを期待したいです。

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